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徒歩キャンプにULバックパックってどうなの?特徴や選び方◎おすすめも

軽量キャンプのハウツー

バックパックキャンプを始める際にまず検討されるであろう「バックパック」

その中でも「ウルトラライト」と呼ばれる軽量さに特化し、より身軽にスピーディーに行動できるように設計された“ULバックパック”に焦点を当てていきます。

無駄を削ぎ落したシンプルかつスマートな見た目ながら、随所に考え抜かれた機能性があふれたザックは魅力的ですよね。

今回はそんなULバックパックの特徴や注意点、選び方のポイントなどを細かくご紹介していきます。

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◇ULザックの特徴

山と道/three

もともとはロングトレイルを歩くハイカーによって生み出された「ウルトラライト」という考え方。
軽量化に特化することで、身体への負担を減らし、スピーディーに行動できるようにしたものです。
そのため、「フレーム」や「ヒップベルト」などが省かれたものも多くあります
これらが無い分、一般的な登山用ザックと異なり、ULザックは上半身に荷重がかかる設計となっています。
基本的に中身も軽量な装備が想定されているので、腰荷重でなくともそれほど負担にならないでしょ?という感じですね。
また、ヒップベルトなどがないため、腰回りが動かしやすいという利点があり、「歩く」ことに特化したザックですね。

◇選ぶ時のポイント

・ブランド

ULザックのほとんどはいわゆる「ガレージブランド」から販売されています。
有名登山メーカーではほぼ扱っていません。

国内ガレージブランドの有名どころで言うと「山と道」などはかなり人気ですよね。
海外ではUL発祥の地であるアメリカの「Zpacs」や「HYPERLITE MOUNTAIN GEAR」、新鋭ULブランドなどが多くあるヨーロッパのブランドなども人気が高いです。
ただし、海外のガレージブランドは日本国内では手に入りずらいです。
そもそも取り扱っている店舗が少ないこともありますし、あっても値段がお高めで気軽に購入できるものではないですね。
個人輸入が可能なものもありますが、個人ではハードル高かったり、円安の影響もあるし関税や送料などで割高になってしまうこともあります。

でも探してみるとULギアのセレクトショップがあったり、Amazonや楽天などの大手ECサイトで手軽に購入できるザックなどもあります。
またはフリマアプリなどを駆使するのもありですよね。

・容量

ULザック関係なくですが、第一に「容量」はザック選びの最初のポイントですね。
季節や環境、用途や自分の使っているギア次第で選ぶことになってきます。


春・秋
デイキャンプ15L~20L15L~20L15L~30L
1泊2日20L~40L20L~40L30L~50L
2泊以上30L~40L40L~40L~

上記はあくまでイメージですが、一般的にはこれらの用途でこれぐらいの容量ですね。
1泊程度であれば20L以下でも十分という方もいます。

軽量化をしたい方は50L以上のあまり大きすぎるザックを使わない方がいいかと思います。
スペースに余裕があると無駄なものまで持っていきがちです。
最初からガチガチなULは難しいですが、あえて入るか入らないかぐらいの容量のものを購入し、無駄なものを省いたり、軽量化に試行錯誤するのも楽しいですよ。

個人的に最初の1つは汎用性の高い「30L」か「40L」あたりをオススメします

・生地

ULザックの1番の特徴でもあり、軽量化において大きいポイントになってくるのが「生地」です。
そして、ザックの値段に大きく関わってくるポイントでもあります。

ザックに使われている生地は「耐久性」「耐摩耗性」「耐引裂性」「防水性」などに優れており、それでいて軽量なものが使われています。

様々なアウトドアファブリックがありますが、ULザックに使われている生地で多いのは、「ナイロン」「XPAC」「DCF」「Ultra」「ECOPAK」などでしょうか。

その他にも様々な生地がありますし、メーカーのオリジナル生地などもあります。
また、ザックの部位ごとに使っている生地が変わったり、同じ素材でも部位で厚みを変えてあるものなどもあります。

正直、素人目では生地の違いが分かりにくいものも多いですね。
機能性も調べれば調べるほど結局何が良いの?ってなってくる点でもあります。
ただ、生地によって質感や見た目は大きく異なってくるので、できる限り実際に見たり手に取って選びたいですね。

・耐荷重

こちらもザック選びの重要な要素である「耐荷重」

ULザックは中身が軽量化されていることが前提なので、一般的な登山用ザックよりも耐荷重としては低くなっています。
これにはフレームの有無や使われている生地の厚みなどによっても変わってきますが、8kg程度~12kg程度までのものが多いですね。

推奨されている荷重以上になってくると破損のリスクもありますが、何より「背負い心地」に影響してきます。
例えば、軽量化のためにショルダー部分が薄く作られており、耐荷重以上になると肩に食い込むようになるなど。

・防水性

防水性の高い生地が使われているザックは多いですが、撥水加工はあっても防水ではない生地もあります。
また、生地そのものに防水性能があるかも重要ですが、縫い目に防水性があるかも重要ポイントです。
いわゆる「シーム処理」が施してあるかどうかですね。

その他、開口部の形状にもよって防水性は変わります。
レインカバーを使用したり、ザックまでカバーできるレインポンチョを使用するなどの対策もありますが、いずれも「完全防水」は難しいです。

どうしても濡らしたくないものはザック内部での防水もしましょう。
防水スタッフサックを使用したり、パックライナーを使用したりと対策を施しておくと、万が一の雨でも濡れる確率を下げることができます。

・開口部

ULザックのメインポケットの開口部で多い形は「ロールトップ」でしょうか。
防水性を高めつつ、容量の調整が容易なため、多く採用されています。
その他、巾着タイプやジップタイプ、マジックテープなんかもありますね。

・フレーム

一般的な登山ザックと違い、ULザックは基本的に「フレームレス」です。
これにはメリット・デメリットがあります。

フレームがあることで背中との間に空間ができ、背中が蒸れにくかったり、荷物が型崩れしないので背負い心地が安定します。

フレームレスの利点はもちろん軽量であること。
ただし、パッキングを上手くしないと荷物が背中に当たって不快に感じてしまったりしますね。
そして、ザックが背中に密着するので、背中が蒸れるのは気になるポイントです。

中にはULザックだけどフレームのあるものもあったりします。
こちらの「Zpacs/Arc Haul Ultra」とかですね↓

軽量なカーボン素材のフレームが付いているため、背中との間に空間ができ、蒸れをかなり軽減できます。
それでいて、40Lの容量で566gと超軽量です。

・ヒップベルト

ヒップベルトは付いていないor簡素なULザックは多いです。

一般的なザックは肩と腰に荷重を分担させて担ぎます。
ヒップベルトは骨盤の上にザックを安定させて、腰荷重にするための重要な部分になりますが、ULザックは基本的に肩荷重です
これは歩くことに特化したハイカーが腰回りを拘束せず、股関節の可動域を確保したいからですね。

これも荷物が軽量化されていることを前提にした考え方です。

ただし、ULザックにもヒップベルトが付いているモデルも多くあり、肩荷重と腰荷重を使い分けられるものもありますね。
また、ヒップベルト周りにポケットが付いていて、行動食やすぐに取り出したい小物を収納しておくこともできるので便利です。

・ショルダー

ザックを背負うショルダーストラップも特徴が分かれる部分です。
クッション材が入っているものが多いですが、容量が小さく軽量なものはペラペラなものもあります。
また、身体に密着して汗をかく部分にもなるので、メッシュが付いていて通気性があるものが好ましいですね。

他にも、ロードリフター(スタビライザー)と言われるショルダーストラップ上部に付いている調整ストラップの有無も背負い心地などに影響してきます。
ヒップベルトを締めるとザック上部は後ろに倒れるようになってしまい、歩く際に上部にブレが出てしまいます。
そのため、ヒップベルトがないようなULザックはこのロードリフターが付いていません。
逆にヒップベルトが付いていてもロードリフターが付いていないザックもありますね。

・ポケット

もはやULザックに付いていないものはないんじゃないかという「フロントポケット」
ザックによって素材は違えどかなり便利なことには間違いないです。

定期的に取り出したいものや汚れたもの、濡れたものなどを入れるのに便利です。
メッシュタイプであれば、小さいテントやタープなどを乾かしながら歩くこともできます。

どのザックにもサイドポケットは付いているかと思いますが、ボトムポケットが付いているザックも増えてます。
ザックの底面に付いていて、背負った状態でアクセスしやすいため、ハイカー達は行動食を入れたりする場所ですね。

他にもショルダー部分にドリンクホルダーなどが標準で付いているザックや、ヒップベルトにポケットが付いていたりと、ポケットは複数あれば便利にはなりますが、もちろん重量も増します。
サコッシュなどを使ったり、ザックに後付けできるバッグもあるので、工夫次第で快適さは後からでも補えますね。

・サイズ

ザックのサイズが自分に合っているかという点について。
最も重要なのは「背面長」です。

名前の通り背中の長さになるのですが、第七頸椎から腰骨上端までの長さになります。
1人で測ることは難しいので、家族などに測ってもらうか、アウトドアショップなどで購入時に測ってもらうことも可能ですね。

背面長は大事ですが、ザックのサイズはあってもだいたいS/M/Lの3種類ほどになるので、ザックリにはなってしまいますね。

◇おすすめULザック

ここからは定番ながらも確かな機能性で人気のULザックを紹介していきます。

・Trail Bum/BUMMER

シンプルなデザインのザックが多く、入手しやすさと手の届きやすい価格から大人気のブランドですね。
こちらのバマーはトレイルバムの中でも最も人気なモデルで、容量は30L、重量「370g」と超軽量。
本体素材はナイロン、大きなフロントメッシュはポリエステル素材となっております。
ショルダー部分は幅広で背負いやすく、チェストストラップも付いております。
ザ・ULバックパックというシンプルな構造がいいですね。

・Karrimor/cleave 30

僕も愛用しており、1番使用頻度の高いザックです。
容量は30Lで重量「900g」とULザックでは重たい部類に入りますが、とにかく背負い心地が良いです。
しっかりとしたショルダーストラップとヒップベルトが付いており、“腰荷重”で背負うことができるので、重量を感じません。
また、簡易的なチェストストラップ、背面にはメッシュやパッドも入っており、ストレスなく背負える工夫が随所に施してあります。

さらにはフロントメッシュポケット、ショルダーハーネスにはボトルホルダーや何かと使えるループ、ヒップベルトにはポケット、ハイドレーション機能、ボトムにはバンジーコードやジップポケットなど、「あったらいいな」が揃っている秀逸なバックパックだと思います。

・Zpacs/Nero Ultra 38L

アメリカ発「Zpacs」の人気モデルである「Nero」

生地には非常に高い耐摩耗性と引き裂き強度を誇る“Ultra”が使用されています。
全体的にシンプルな見た目ながら、大きなフロントメッシュポケット、背面にはスリーピングマットなどを取り付けられるストラップが付いているなど、便利な機能も。

全てのポケットを合わせて38Lの容量で、重量は「320g」と超軽量です。

・山と道/three

おそらく最も有名なガレージブランド「山と道」
40Lの容量と汎用性の高さで人気のthree

メインの生地はECOPAKが使われており、重量はサイズやポケットタイプによっても変わりますが、メッシュポケットのMサイズで「660g」です。
背面には取り外し可能なパッド、ヒップベルトも簡易的なものが付いており、これも取り外し可能です。

・HYPERLITE MOUNTAIN GEAR/WINDRIDER 40

アメリカのULザックメーカーのフラッグシップモデルである「WINDRIDER」

DCH素材を使用し、耐久性や耐水性に優れたザック。
メインポケットの開口部はロールトップ式で、マジックテープタイプになっています。
大きな特徴は着脱可能なアルミステーが付属している点です。
重量が増えた際もしっかりと背負うことができます。

40Lの容量で重量は約「830g」ですが、ステーなどを外せばさらに軽量することも可能です。

HYPERLITE MOUNTAIN GEAR/WINDRIDER 40
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